幻の超文明(ただし『超古代』のそれではない)
ムー大陸
超古代文明の舞台の1つとされる『ムー大陸』――オカルト界隈の説によると、これは約1万2000年前まで太平洋上に存在していたと主張されています。
『マッドフラッド理論』の話を初めて聞いた時、直感的に(ムー文明のような)超古代文明を連想したのですが、それとは異なる話でした。
●画像引用 Wikipedia
13世紀の東アジア諸国と北方諸民族
モンゴル帝国以前のモンゴル高原東方には、『タタル部(タタール部)』というモンゴル系遊牧民族が居住していたそうです。
彼らは、『テムジン』――後のモンゴル帝国初代皇帝『チンギス・カン』――により敗北。
その後、モンゴル帝国を構成する一部族となりました。
●画像引用 Wikipedia
Tartary――韃靼図
18世紀のタタールの女性
●画像引用 Wikipedia
模造された銀板写真の例
以下の動画〈注:日本の動画ではありません〉では、『銀板写真(ダゲレオタイプ)』の模造について説明されています。
★参考動画
The Faux Daguerreian(What is a Faux Daguerreotype?)
●画像引用 The Faux Daguerreian
「マッドフラッド? タルタリア? なにそれ」
上記の単語を初めて聞く人はこのように反応するかもしれません――ブログ主もそうでした。
この話の概要としては、『タルタリア』という世界的に高度な文明が『泥塗れの大洪水(マッドフラッド/Mud Flood)』によってリセットされたということです。
※上記の説は、支持者たちの間では『マッドフラッド理論』という名称でも呼ばれています。
これだけ聞くと旧約聖書(創世記)の『ノアの大洪水』、あるいは『ムー』『アトランティス』などの超古代文明が滅亡したことを連想する人もいるでしょうが、マッドフラッドには、それらとの大きな違いあります。
この『文明のリセット』は、(ムーやアトランティスの滅亡ような1万年以上前のことではなく)なんと1800年代に起こった――と主張されているのです。
「そんなバカな!」
普通の人はこのように反応することでしょう――ブログ主もそうでした。
しかも、『タルタリア(Tartaria)』なんて言葉をどこから引っ張ってきたのかと、疑問を抱くばかりです。
普通なら「あり得ない」で済ませるところですが、なぜかこの話題はブログ主を熱くさせました――知らないうちに、ブログ主も『タルタリアの謎』に魅了されたのかもしれません(笑)。
英語サイトから調べたところ、『タルタリア(ラテン語:Tartaria)/タータリー(英語:Tartary)』とは、満州・シベリア・中央アジアなどの広い地域――カスピ海から太平洋沿岸までの非常に広いユーラシア大陸の地域――に住んでいた人々に対する(19世紀半ばまでの)ヨーロッパでの総称であることがわかりました。
※『Tartary』を『タルタリー』と読む場合もあり。ただ、『Tartary』は英語なので『タータリー』という読みに修正しました(2022年1月31日)。
要は『タタール(漢名:韃靼/だったん)』のことであり、普通に歴史の教科書に登場する民族を指します。
ということは、タルタリアの語源もタタールに由来するようです。
タタールの語源は、古チュルク語で『他の人々』を意味した『Tatar(タタル)』とのことです。
のちにタタルと自称する人々は、モンゴル部族に従属――モンゴル帝国の一員となり、ヨーロッパ遠征にも従軍しました。
そのため、ヨーロッパの人々にその名前が知られ、ヨーロッパではモンゴル系の遊牧騎馬民族が『タルタル (Tartar)』と呼ばれていました。
また、その土地の名前も『モンゴリア(モンゴル高原)』という語が定着するまでは、『タータリー(Tartary)』と呼ばれるようになりました。
上記の呼称の中でも、ロシア語の『タタール(Татар)』はよく知られているそうです。
ロシア系民族は、ヨーロッパの中では最も長くモンゴル(タタール人)の支配を受けた国――当時の国家『キエフ大公国』がモンゴル帝国に征服された――であり、その期間は、ロシア人にとって『タタールのくびき (татарское иго)』という苦い歴史として認識されているとか。
白人社会が全盛期を迎えていた帝国主義の時代においても、ロシアにおけるこの歴史的事実は、(思い出したくないほど)屈辱的なことだった――征服されたことにより、モンゴル系(アジア系)との混血が起こったので、白人社会において『下』に見られる傾向があった?――のではないでしょうか。
しかし、近代においても、ロシアはアジア人(大日本帝国)によって苦杯(日露戦争における敗北)を嘗めさせられることになりました。
話が逸れましたが、(先述した通り)タタール人が住んでいた地域について知識が乏しかった20世紀以前の世界地図では、該当の地域は単に『Tartary』と記されていました。
それが、地理的な知識が増えるつれ、満州やモンゴルが『中国タータリー(CHINESE TARTARY)』、シベリアが『大タータリー(GREAT TARTARY)』、中央アジアが『独立タータリー(INDEPENDENT TARTARY)』として分類されていきました。
もっとも、これらの地名は本当の地名や国名が知られるようになると、すぐに使われなくなりました。
そのためか、画面左上の画像『韃靼図』に見られるような広大な地域が、『タルタリア(Tartaria)/タータリー(Tartary)』と呼ばれていたことは、比較的最近までは知られていませんでした。
それが近年でポっと出てきたどころか、つい200年以内に存在していたという超文明として噂されるようになったのです。
この説の歴史は非常に浅く、2016年の頃から出始めたといわれています。
2016年8月、『Philipp Druzhinin(フィリップ・ドゥル●ニン)』という(おそらくロシアの)ユーチューバーが『泥の洪水』に関する動画を投稿していましたが、この人物が『マッドフラッド』の発案者なのかどうかは不明です。
投稿初期の頃、彼の動画は余り人気がありませんでしたが、2018年12月~2019年1月辺りから再生数が急増したとか。
マッドフラッドとタルタリア文明――おそらくこの説を批判するだけなら難しくないでしょう。
例えば、あるサイトには以下のことが記されています。
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●概して歴史の知識が足りない。
例えば写真黎明期では撮影時間が長くなるため、人を撮るときは専用の器具で固定しなければならないのだが、それを彼らは人形を固定して撮って偉人を偽造しているなどと主張している。
他にも――
●『銀板写真(ダゲレオタイプ)』でも、写真の偽造ができることを知らない。
●遊園地の写真を昔の都市の写真として出してくる。
●崩し字をルーン文字と言って出してくる。
――など正直言って中学の歴史からやり直せとしか言いようのないお粗末なものである。
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厳しい批判ですね。
ただ、その説がどのように始まり、どのように広がっていったのか――ということに、ブログ主は関心を持ちました。
これを探ってみるのも面白いと持ったので、記事として取り上げたいと思います。
タルタリアの痕跡?
シンガービルディング
『シンガービル (Singer Building)』は、『シンガー・ミシン・カンパニー』の社長である『フレデリック・ギルバート・ボーン(Frederick Gilbert Bourne)』によって発注されました。
このビルは、1908年から1909年の期間において、世界で最も高い建築物でした。
これがマッドフラッド理論と結び付けられた件については、大手の通信社である『ブルームバーグ・シティラボ(Bloomberg CityLab)』でも取り上げられました。
★参考サイト
Inside the ‘Tartarian Empire,’ the QAnon of Architecture
●画像引用 Wikipedia
星形要塞
『星形要塞』は、火砲に対応するため15世紀半ば以降のイタリアで発生した築城方式とのことです。
※画像は、1750年の状態に復元されたブルタング要塞(オランダ)。
15世紀末から16世紀初めにかけてフランス軍がイタリア半島へ侵攻した際、フランス軍は新型の火砲を装備しており、伝統的な中世以来の城壁は容易に破壊することができました。
故に城壁の改良が必要となり、星形の築城術は大きな発展を遂げたそうです。
要塞の防御力強化のためには。多数の方向からの援護射撃が重要であり、同時に死角を無くすことが必要条件だったとか。
このため、数学的に計算された多面体を組み合わせた構造物になったといわれています。
●画像引用 Wikipedia
日本語のサイトで『マッドフラッド』を検索しても、大部分は偏った情報しか出てきませんが、英語サイトの場合はそうでもないようです。
『Wikipedia』の場合、『Mud Flood』と検索しても陰謀論の話はヒットしませんが、『Tartary』の中において、『Tartaria conspiracy theory(タルタリアの陰謀論)』の項目があったので、訳してみました。
※一部、用語を補足している他、内容はブログ主の超訳なのでご了承ください。
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𒁾Tartary(Tartaria conspiracy theory)
2016年頃から、失われた帝国とされる『タルタリア』に関する陰謀論がネット上で盛り上がっている。
この陰謀のほとんどは、建築史に対する誤解に基づいている。
(この説の)支持者は、『シンガー・ビルディング』――アメリカ合衆国ニューヨーク市ロウアー・マンハッタンにあった超高層ビル(1908年に竣工・1968年に再開発により解体)――などの取り壊された建物、または1915年の万国博覧会(サンフランシスコ万国博覧会)の敷地にあった一時的な建造物は、実際には歴史から封殺された広大な帝国『タルタリア』に属するものだったと考えている。
また、豪華絢爛な『金ぴか時代』――アメリカにおいて資本主義が急速に発展を遂げた1870~1880年代――の建物は、実際にはタルタリア人が建てたものとして言及されることが多い。
この陰謀論は詳細が語られず、世界平和を達成したとされる高度な文明がどのように崩壊し、隠されたのかを漠然と説明しているに過ぎない。
『マッドフラッド(泥の洪水)』によって世界的な文明の大部分が失われ、そのために古い建物が失われたという考えは、窓付きの地下室が設置された建物があるという事実によってのみ裏付けられている。
※上記については次回以降に解説。
第1次世界大戦と第2次世界大戦は、タルタリアが破壊され、隠蔽された方法として引用されているが、これは第2次世界大戦の大規模な爆撃作戦によって、多くの歴史的建造物が破壊されたという出来事を反映している。
この説において一般的な証拠とされているのは、ドーム状になっている首都の建物や星形要塞など、世界中に似たようなスタイルの建物があることだ。
しかし、このようなデザインが世界各地で存在するのは、イギリス・スペイン・ポルトガルなどの帝国主義国家が該当地域の植民地化を進めた結果であり、タルタリアのような失われた帝国により築かれたわけではない。
この理論は、『モダニズム(近代主義)』に対する文化的な不満を反映しており、伝統的なスタイルは本質的に良いものであり、近代的なスタイルは悪いものであるという想定がある。
この陰謀論は『Qアノン』と類似しており、他の陰謀論の要素――特に反ユダヤ主義が取り入れられていると評されている。
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『Wikipedia』が必ずしも正しいとは思っていませんが、割と客観的に見える内容です。
マッドフラッドが他の陰謀論と一線を画する点は、捏造とされる歴史の範囲が途轍もなく広いことです。
なにせ『約150年前~200年前?』に高度な文明がリセットされたことになっているのですから、我々が学校で学んできたほとんどのことは捏造になってしまいます。
確かに歴史には捏造された部分があります。
ただ、歴史好きな方で歴史の資料によく接している方は、その捏造のパターンについて、なんとなく察しているのではないでしょうか。
普通、歴史を捏造する場合は――
●都合の悪いことは書かない。
●他人の功績を別の人間(歴史の勝者側の先祖など)にすり替える。
●史実を思想によって善悪で分けて印象操作する。
――などの事例はしばしば見られます。
逆に言えば、捏造が目的だとしても、全く根拠や背景のないことを書くのは、極めて少ないと思われます(断言はできませんが)。
全く存在しなかった出来事を多岐に渡って膨大に捏造するなど、極めて非効率な行為(政策)になるからです。
ブログ主としては、この辺りがマッドフラッド理論の最も弱い部分の1つだと思っています。
※逆に言えば、この部分の問題について解決(合理的な理由を説明)できれば、マッドフラッド理論は――説得力があるかどうかはともかく――『設定』としては、ある程度の整合性が取れることになります。
タルタリアの元ネタ?
アナトリー・フォメンコ
●画像引用 CULTURELL.COM
チンギス・カン
モンゴル帝国の初代皇帝『チンギス・カン』は、『新歴史学』では『ロシア人』にされてしまいましたが、上記の肖像画を見て、ロシア人と解釈するのは、かなり大胆な(?)主張でしょう。
●画像引用 Wikipedia
モンゴル帝国の拡大(上)
Tartary――韃靼図(下)
『チンギス・カン在世中の諸遠征およびモンゴル帝国の拡大(図)』と『韃靼図』を見比べてみると、(当たり前と言えば当たり前ですが)見事に重なりますね。
『新歴史学』のような説が唱えられたのは、アジア人にこのような大帝国を築かれてしまったことに対する(人種差別的な意識も含めた)不満も、幾分かはあったのかもしれません。
特に、ヨーロッパの国家の中でも、最も長くモンゴル(タタール人)の支配を受けたロシアは、その期間を『タタールのくびき 』と呼ぶほどですから。
※新歴史学がロシアの説なのは明確なことですが、(おそらく)マッドフラッド理論もロシアで発生したと思われます。
●画像引用 Wikipedia、日本関係欧文史料の世界
ネット情報を調べても、マッドフラッド理論で唱えられた『タルタリア(文明/帝国?)』の元ネタをなかなか発見できませんでした〈注:追記〉。
しかし、この陰謀論がロシアで発生したと仮定してみると、その前身ではないかと思われる説を発見できました。
それが『新歴史学(New Chronology)』です。
上記の説は、ロシアの数学者である『アナトリー・ティモフェーエヴィチ・フォメンコ(Anatoly Timofeevich Fomenko)』により提唱されました。
※フォメンコの名前は、マッドフラッド系の動画でも紹介されているようです。
フォメンコは、(旧ソ連時代から)古代ギリシア・古代ローマ・古代エジプトを含む古代史全てが、中世に起こった事件の反映に過ぎず、また中国やアラブの歴史全てが、17世紀から18世紀にかけてのイエズス会による『でっち上げ』だったと主張しました。
『英語版Wikipedia』によると、フォメンコの説には――
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●モンゴル帝国の『チンギス・ハーン(チンギス・カン)〈注1〉』は実はロシア人だった。
●西暦1600年以前の世界史は、バチカン・神聖ローマ帝国・ロシアのロマノフ家など、様々な陰謀家の利益のために広く改竄された。
そして『Russian Horde/ロシアン・ホード(ロシアの遊牧民?)』と呼ばれる『世界帝国』を中心とした世界史の真実を隠蔽しようとしている。
※『horde』は『遊牧民の群れ・大群』という意味。
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――という話もありました。
「ウチの国(民族)は昔はスゴかった!」
「我が民族は太古の昔に世界に君臨していた!」
――的な話〈注2〉は、(どこの地域でも)なんからの形(文献など)で伝えられることがあり、それは日本も例外ではありません。
そのロシア版が、モンゴル帝国の覇業の歴史をロシア式にすり替えた『Russian Horde/ロシアン・ホード』だったと思われます。
マッドフラッドにおいて主張される幻の文明(帝国?)『タルタリア』とは、おそらく『Russian Horde/ロシアン・ホード』を元にしており、それに『(超高度な技術があったとされる)超古代文明』や『巨人伝承』などの要素を加えた話だと推測できます。
※上記については次回以降で解説。
というのも、『タルタリア(Tartaria)』という言葉は、(先述した通り)ヨーロッパにおいてモンゴル系の遊牧騎馬民族が『タルタル (Tartar)』と呼ばれたことに由来しているからです。
さすがに、(マッドフラッド理論にて語られた)大洪水以前に存在したという幻の文明(帝国?)の名称が『Russian Horde(ロシアン・ホード)』だと、『(自国を1番だと思い込みたい)ロシアの作り話』的な印象が強過ぎるので、『タルタル (Tartar)』を古代ローマ帝国の公用語であるラテン語表記にした『タルタリア(Tartaria)』にしたのではないかと、ブログ主は考えています。
(ブログ主が想像する)『タルタリア文明の発案の流れ?』としては――
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●マッドフラッド(特にタルタリア)の元ネタ(かもしれない?)『新歴史学』では、チンギス・ハーン=ロシア人とされている。
●ということは、モンゴル帝国は実質的にロシア人=白人の帝国。
それが『Russian Horde(ロシアン・ホード)』だが、「ロシアは凄い、白人は凄い(前者の方がより本音)」的な主張をするのはあからさま過ぎるので、それは控えめにしよう。
●だから超文明の名称は『タルタル(Tartar)』から引用するが、それを(白人の国で古代の大帝国)ローマ帝国式(=ラテン語)の呼び方に変えて『タルタリア』にしよう。
●あとは、『タルタリア』に色んな神話・伝説の要素を足してみるか。
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――まあ、こんな感じでしょうか(知らんけど)。
このマッドフラッド理論については、ブログ主よりも先に、そしてより鋭く考察した人物(科学と科学的懐疑主義を主なテーマにしたアメリカの作家)がいました。
次回では、彼の考察について(ブログ主の超訳ですが)紹介します。
陰謀論で語られることを真に受けるのではなく、客観的に物事を考えるという意味では、彼の見解は大いに参考になると思います。
【注釈 1~2、追記】
■注1 チンギス・ハーン(チンギス・カン)
モンゴル帝国の初代皇帝『チンギス・カン』の名称は、訳者によって様々に表記されているが、現在では『チンギス・ハーン』や『チンギス・カン』が一般的となっている。
なお、彼が存命中の時代では、『Činggis Qan(チンギス・カン)』と発音とされていたようだ。
■注2 「ウチの国(民族)は昔はスゴかった!」「我が民族は太古の昔に世界に君臨していた!」――的な話
日本における上記の例は『竹内文書』の記述である。
この文書では――
●皇祖皇太神宮が全世界の中心である。
●3000年以上前の上古2代天皇の時代には、16人の弟妹たちが全世界に散らばった。
――などの説が語られた。
また、大韓民国では、『ウリナラ半万年(われらの国は五千年)』という言葉が好んで使われるという。
要は「自分たちは日本や中国より古い民族なのだ」と主張しているのだ。
人種的な話における上記の事例では、近代の西洋で生まれた『神智学』にて――『アーリア人(この場合は特にアーリアン学説に基づく白人のこと)』が霊的進化の進化の頂点に立ち、アトランティスなどの超古代文明を築いた――という説が語られた。
真偽は置いておくとして、この手の話はどこの地域でもあるようだ。
■注:追記
2021年1月26日時点の『英語版Wikipedia(Tartaria conspiracy theory)』を確認したところ、以下の記述あり。
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『大タルタリア(Great Tartaria)』に関する偽史的陰謀論は、ロシアにおいて最初に発生し、『ニコライ・レヴァショフ(Nikolai Levashov)/1961年~2012年』により広められ、アナトリー・フォメンコの『新歴史学』でも言及された。
ナショナリズムの傾向が強いことで知られるロシアの疑似科学において、タルタリアはロシアの『本当の名称(real name)』として主張されているが、それは西側諸国の悪意により『無視』されたという。
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この記述がある通り、やはり超文明としてのタルタリアの元ネタは、ロシアにあったようだ。
なお、ニコライ・レヴァショフは、ロシアのオカルティスト・心霊治療家であり、『宇宙生命』『スラブ史』『地球上における人類の起源』などに関するいくつかの著書を執筆した人物とのこと。
彼の著書のうちの1冊は、反ユダヤ主義的で過激な内容と分類され、ロシアでは出版が禁止されているという。
タルタリアの普及にオカルティストが絡んでいるところは、(上記で言及した)日本における竹内文書の事例と重なるだろう。
※竹内文書を公開したのは、神職(皇祖皇太神宮天津教の教祖)だった『竹内巨麿(たけうちきよまろ/たけのうちきよまろ)』である。
参考・引用
■参考文献
●Mud Flood 101 A Primer on Mud Flood Theory Tim Ozman 著
■参考サイト
●Wikipedia
●WIKIBOOKS
●Wikiwand
●Weblio辞書
●ニコニコ大百科
●ピクシブ百科事典
●コトバンク
●goo辞書
●SKEPTOID
●Bloomberg CityLab
●日本関係欧文史料の世界
●Photographic Images
●KoVELS
●CULTURELL.COM
●The Faux Daguerreian
●吃驚! 偉人奇人伝
●皇祖皇太神宮HP