超常的知性体
UFOs(未確認飛行物体)
イルミナティカード『UFOs(未確認飛行物体)』です。
三角形の中央には『目』―ーではなくグレイ系の宇宙人(地球外生命体)の顔が描かれており、イルミナティのシンボルである『プロヴィデンスの目』が『宇宙人の監視』を表しているようにも見えます。
上記のカードは、イルミナティの最上層には宇宙人がいることを暗示しているのでしょうか……。
ただ、宇宙人の顔が(イルミナティのトップだと思われている)レプティリアンではなくグレイであるのは少し気になるところです。
●画像引用 STEVE JACKSON GAMES
レプリティリアン(上)
鷲頭の神(下)
レプティリアンは、陰謀論ではとても有名な宇宙人です。
宇宙人研究家の間では、レプティリアンの故郷について2つの説があるようです。
1つは『りゅう座アルファ星』から数千年前に地球に飛来してきたという説。
そしてもう1つは、彼らは元々地球で進化したが、宇宙に進出した後に、長い時間をかけて母星に戻ってきたという説です。
どちらかと言うと、宇宙人(地球外生命体)説の方が主流かもしれません。
ただ、世界各地の神話を知らべてみると、神々に先行する存在として龍が存在し、それを後発の神々が征服して世界の支配者になったという『物語のパターン』が古い時代から見られます(バビロニア神話の創世記叙事詩『エヌマ・エリシュ』など)。
そういう意味では、後者の説の方がより真実味があるのかもしれません。
レプティリアンには階級があり、最上位に属するのが、翼を持ったアルビノ(白化個体)の『ドラコ(ドラコニアン)』だとか。
もっとも、爬虫類型の宇宙人としてレプティリアンとドラコニアンを分ける説もあるので、この辺りのことは定かではありません。
こうした宇宙人の話は「近代になっていきなり宇宙人が飛来してきた」―ーというよりは、最古の文明以前から地球や人類に干渉してきたという説の方が多いように思われます。
となると、古代神話との関連で宇宙人を考察した方が、その真相に迫れるのではないでしょうか。
1つ、気になるのはメソポタミアや古代エジプトの壁画などには鳥頭の神々が描かれることがあるのですが、この姿の宇宙人については余り語られていません。
あるいは、鳥頭人はレプティリアンと一緒くたにされて目立たなくなっているようです。
もし、古代文明との関連で宇宙人を考えるなら、鳥頭人は見逃せないと思うですが、これはどういうことなのでしょうか。
鳥頭人は、レプティリアンと違って表には出せないトップシークレットということになるのかどうか……。
●画像引用 カラパイア(上)、FANDOM(下)
福島上空に出現したUFOの大群?
画像は東日本大震災から間もない頃(2011年4月)、頻繁に見られるようになったUFOの大群です。
アングロサクソン・ミッションの証言者が語っていた善意ある地球外生命体とは、上記のようなUFOに乗った者たちのことなのでしょうか。
あるいは、これらのUFOは歴史的イベントを見にきた未来人の乗り物(タイムマシン)という見方もあるようです。
もっとも、この画像の元になった動画は、CG合成だったり、別の地域のUFO画像を福島のものと見せかけたりしているという説もあるとか。
その一方で、東京電力福島第1原子力発電所で事故が起きた後、原発付近の上空でUFOを見かけたという話は実際にあり、UFO映像が動画サイトに相次いで投稿されていたそうです。
仮にこのUFOを宇宙人、または未来人の乗り物として考えるなら、東日本大震災はそれだけ彼らの関心を引く現象ということになるのでしょうか……。
●画像引用 Youtube(maketheworldpeace4)
↓以下より該当動画を確認できます。
『アングロサクソン・ミッションとUFO その5』では、陰謀論動画『アングロサクソン・ミッション』にて言及された『超常的知性体』の謎について考察したいと思います。
(ようやくタイトル通りのネタに近づけそうな気がします……)
『アングロサクソン・ミッション』にて語られた人口削減計画は、支配層(証言者が出席した会議にいた人々=イルミナティの上層部?)の指示により、実行されてきたことになっています。
ただ、この計画の立案者にして組織の真の支配者は、どうやら彼らではないようです。
アングロサクソン・ミッションの証言者の発言によると、(人間の)支配層の上には、『人間を超えた知性体』が君臨しているとか。
イルミナティの陰謀は、とても『人間の一世代』で完遂できるような計画ではありません。
中国共産党は『100年計画(百ヶ年計画)〈注1〉』という国家戦略を考えているようですが、イルミナティの陰謀はそれより圧倒的に長い期間を視野に入れているのです。
そんな気の遠くなるような計画をどうして人間が立案し、実行しようというのでしょうか。
仮にそういう人間がいたとすれば、誇大妄想もよいところです。苦労して考えた計画が、延々と次世代に継承される保証などないのですから。
このような疑問をビル・ライアン(アングロサクソン・ミッションのプレゼンター)も抱いていました。
「この件(陰謀)に関する議論の1つは、その計画が非常に長期的な展望と思考と戦略的狡猾さが必要だろう――ということです。幾世代にも渡るような計画を立てないといけないわけです」
上記はインタビュー原稿における彼の発言ですが、動画では以下のような見解を述べていました。
●この計画はまさに超人的レベルの高度な知能と戦略性、そして非常に冷酷であることが必要であり、人類の中から出てきたものではない。
ビル・ライアンは、「陰謀の裏には人間ではない知性体が関わっているのではないか」と思っていたのです。
証言者もビル・ライアンと同様のことを考えており、しかも軍に所属していた時には『ET』に会ったことがあるそうです。
そうした経験があるためか、彼は「地球外生命体が存在することを信じている」と言った上で、その情報を語りました。
証言者の話によると、地球外生命体には、『善意ある者たち』と『悪意ある者たち』の2種類がいるようです。
アングロサクソン・ミッションでは、『超常的な知性体=地球外生命体』という認識で語られていましたが、1つの話題としてまとまってはいませんでした(※別々の話題で散見されていた)。
そこで、地球外生命体に関する証言者の発言を整理しつつ、ピックアップしてみました。
なお、『𒀭』の印が付いた文は、各意見に対するブログ主の注釈です。
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●人間の支配層の上に君臨する真の権力者(悪意ある地球外生命体)のことを『レプティリアン』と呼ぶ人もいる。
●地球外生命体には、人道的で利他的な『善意ある者たち』も存在する。
彼らとレプティリアンは、現代の権力者たちよりもずっと前から我々の傍にいた。
両勢力にとって11500年〈注2〉は瞬く間である(寿命が長い種族だということ)。
𒀭上記の発言が真実なら、地球外生命体は最古の文明とされるシュメール文明以前から人類に干渉してきたことになる。
●レプティリアンは『完全に心の冷たい者たち』であり、ずっと前から地球にいて人類を現在の状態にした張本人たちである。
その知性体(レプティリアン)は信じられないくらい論理的・打算的である。
彼らは極めて冷淡な者たちであり、共感とか思いやりを全く持たず、愛や気遣い、慈愛という人間らしい感情を何も持っていないように見える。
それは「彼らの口の中ではバターも溶けない」と例えるに相応しいほどである。
彼らは人間より遥かに論理的に物事を考え、瞬く間に困難な問題の解決策を提示できる。
レプティリアンが立案としたと思われるタイムライン(陰謀のスケジュール)の起源は、数十年前あるいは数百年間前まで遡る。
●『悪意ある地球外生命体(レプティリアンと思われる)』との提携(テクノロジーの交換)が、過去50年間の間、イギリス・アメリカ・他の西洋諸国・日本との間で結ばれてきた。
ただ、その関わりについて証言者は十分に説明できないという。
●『善意ある地球外生命体』は、陰謀による災厄が起こるのを防ごうと働いている。
彼らは直接(人間社会に)介入すること無しに、なんとか状況のバランスを維持してくれているようだが、これも証言者は十分に説明できないという。
ただ、彼の直感として「善意のETたちの努力はなんとか上手くいっているようだ」――とのこと。
●善意の地球外生命体について、証言者はET(地球外生命体)と呼ぶのを好まないという。
証言者としては、「彼らは我々(地球人)と同じ仲間である」と信じているようだ。
●善意の地球外知的生命体は、スピリチュアル的に進化した存在である。
𒀭悪意の地球外生命体の実体(肉体があるのか、霊的な存在なのか)については、明確に言及されていない。
●善意の地球外生命体は、今(2010年時点)が、(人間社会に干渉する)最適な時期だと感じていない。
●レプティリアンは地球の全支配を望んでいるが、(善意の地球外生命体との)チェスゲームには勝てず、彼らの時代は終わりが近づいている。
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以上が証言者による地球外生命体についての発言です。
『アトランティス』や『地球物理学的事件(地殻大変動)』という単語が出てきた時も驚きでしたが、さらに飛躍した感がある内容です。
これまで人口削減計画の話に耳を傾けてみた読者の方々の中には、首を傾げてしまう人たちもいるでしょう。
これらの情報はどれほど信憑性があるのでしょうか。
地球外知的生命体というと、よく知られているレプティリアンやグレイの他に、ドラコニアン、アルデバラン星人、プレアデス星人などがいるそうです〈注3〉。
そうした情報について、ブログ主は特に詳しいわけではありません。
ただ、アングロサクソン・ミッションで言及された地球外生命体に関して言えば、太古の時代より人類と関わりがあるそうなので、その伝承はなんらかの形で古代神話に残されているかもしれません。
次の章では、そうした方面から彼らの正体について探っていきたいと思います。
【注釈 1~3】
■注1 中国共産党の100年計画(百ヶ年計画)
中国共産党は、成立から100年(2049年)までに世界の覇権国家に成れるような戦略を考えているという。
気の長い計画だが、選挙がある民主体制と違って1つの政治体制が続くので、基本的に経済・軍事の拡張路線を維持していれば、上記のような『政治的意志』は継続されるだろう。
覇権というのは、その結果(成功した場合)の産物ともいえる。
■注2 11500年
アングロサクソン・ミッションで言及された『地球物理学的事件(地殻大変動)』が起こる周期。
上記はインタビュー原稿での証言者の発言だが、動画の方では『11500年』ではなく『15000年』と説明されている。
■注3 レプティリアン、グレイ、ドラコニアン、アルデバラン星人、プレアデス星人
いわゆるチャネラーなどの人々により、様々な宇宙人の存在が唱えられている。
他は以下に述べるが、チャネラーごとに意見に違いあり、これらはあくまで諸説の1つである。
●ドラコニアン
レプティリアンと同じく原初の地球にやってきたヒト型爬虫類の地球外生命体。
日本の皇室がこの血筋に当たるという説がある。
●アルデバラン星人
ゲルマン神話の神々に当たる存在。
シュメール文明を打ち立てたのが金髪碧眼のアルデバラン星人であり、
なお、シュメール文明はレプティリアン起源という説もあり、これとは矛盾する。
●プレアデス星人
アルデバラン星人と同じく金髪碧眼であり『ノルディック』と呼ばれる。
アルデバラン星人とよく混同される(そもそもプレアデス星団はおうし座の一部)。
プレアデス星人は人間に最も近く『ポジティブな(愛情深い)存在』といわれているが、
『ユダヤ人のホロコースト(大虐殺)』に関係していたという説もある。
レプティリアンと龍神信仰
ウバイド期のトカゲ人像
メソポタミア文明の先史文化であるウバイド期(ウバイド文化)のイラクの遺跡より発掘されたトカゲ人像(1919年出土)。
『デイヴィッド・ヴォーン・アイク(David Vaughan Icke)』などの陰謀論者の間では、シュメール文明とレプティリアンを繋ぐ遺物として紹介されることがあります。
外見は怪物っぽいものの、こうしたトカゲ人像には子供を抱いた『豊穣の女神像』もあり、古代人としては恐ろしい魔神を描く意図で造ったわけではないようです。
あるいは、シュメール神話の原初の女神ナンムが、画像のような姿であるといわれています〈注6〉。
そうした背景を考えると、『レプティリアンは完全に心の冷たい者たち』だというアングロサクソン・ミッションの情報は正確なのかという疑念も生じます。
●画像引用 CRAZY WORLD
バアル
ウガリット神話(カナン神話)の主神バアルは、イルミナティの神の1柱と噂されています。
※バアルは『主』という意味であり、この単語が付いた神は複数存在している。その代表的神格はメソポタミア神話のアダドをルーツとするバアル・ハダド。
バアルには数多くの人間(特に子供)が生贄として捧げられ、一神教では悪魔とされました。
ただ、神話におけるバアルは龍退治の英雄神とされています。
レプティリアンを古代の龍神と仮定した場合、イルミナティは自分たちの支配者(レプティリアン)を倒した英雄神(バアル)を崇拝していることになってしまいます。
この矛盾は、一体どういうことなのでしょうか……。
●画像引用 Wikipedia
では、レプティリアンと古代神話の関連について見てみましょう。
アングロサクソン・ミッションの証言者によると、この人型爬虫類系の地球外生命体は、(シュメール文明よりも)遥か昔から人類と関係があったようです。
その証拠の一端と思えるのが、左画像にあるトカゲ人像です。
これはメソポタミアの先史文化であるウバイド文化時代(紀元前6500年頃~紀元前3500年頃)――つまりシュメール文明以前の産物とされています。
外見は怪物のようにも見えますが、トカゲ像には子供を抱くものもあり、これらは『豊穣の女神像』と考えられているようです。
このトカゲ人がレプティリアンだとすれば、世界各地に伝わる龍神信仰〈注4〉は、彼らがルーツなのかもしれません。
ウバイド文化の後に発生したシュメール文明において、龍は『ウシュムガル(楔形文字:𒁔𒃲/ušum-gal)』と呼ばれていました。
ウシュムガルとは『偉大なる龍』を意味します。
『ウシュム(ušum)』だけでも『龍』を表しているのですが、この単語には形容詞として『唯一の』という意味もあります。
故に『ウシュムガル』は『偉大な唯一の存在』も表わすことになり、そこから転じて『lord of all(全ての主)』や『sovereign(主権者/元首)』という意味も含むようになったと思われます〈注5〉。
東洋では、龍神は王権の象徴とされていましたが、最古の文明とされるシュメールでもそれは同じでした。
『龍神=トカゲ人(レプティリアン)』と仮定するなら、人間世界の政治権力は、レプティリアンの承認によって成立してきたといえるでしょう。
証言者の発言と矛盾なく、レプティリアンはシュメール文明以前から我々の歴史に干渉してきたことになるのです。
では、証言の言う通りレプティリアンは冷淡で悪意ある存在なのでしょうか?
レプティリアンが元になったかもしれない龍神・蛇神は全て邪悪な存在といえるのでしょうか。
伝統的な一神教の世界観を信じている人なら、そうだと断言し易いかもしれません。
旧約聖書(創世記)では、アダムとイヴを誘惑したのが『蛇』とされ、新約聖書(ヨハネの黙示録)では、サタンが『龍』や『全世界を惑わす年を経た蛇』であると記されています。
イルミナティは悪魔崇拝を行っているといわれていますので、陰謀論に詳しい方々の中には「レプティリアンはヨハネの黙示録で預言された龍であり、サタン(悪の権化)である」という発想を抱いている方もいるのではないでしょうか。
ただ、この世界観に基づくなら「日本や中国など龍神信仰がある地域は、龍=レプティリアンが支配する悪魔の土地」ということになってしまいます。
また、一神教が龍や蛇の全てを悪としたというのも先入観です。
旧約聖書には、モーセが『青銅の蛇』を旗竿に掲げて『炎の蛇(毒蛇)』の災厄を避けたという伝承があり、この話は紀元前13世紀頃(?)のユダヤ人にとって、蛇が信仰の対象であったと考えることができます。
また、最高位の天使とされる『セラフ』は『燃える蛇』の姿をしているといわれています。
何より一神教の神であるヤハウェ自体が、元々は龍蛇系の神であるという説があるのです(詳細は後述)。
つまり、一神教でも龍・蛇は最初から明確な悪として考えられていたわけではないのです。
シュメール神話では、龍に関する詳しい伝承はなく、『龍を退治する英雄神』の物語も今のところは発見されていません。
神々の母といわれる原初の女神ナンムが『蛇の頭を持つ海の女神』として崇拝されていたそうなので、おそらくウバイド文化のトガゲ人信仰を引き継ぎ、龍や蛇が神聖視されていたと思われます。
龍が王権の象徴とされていたのも、ひょっとしたらナンムに因むのかもしれません。
ただ、多くの頭部を持つ『多頭龍』は『忌むべき存在』とされていたようであり、これを退治する光景を描いた円筒印章は作られていました。
シュメールの後を受けたバビロニア以降の神話になると、『龍を退治する神々の王』が描かれるようになりました。
バビロニアの国家神マルドゥク、ウガリット神話(カナン神)のバアル・ハダド、ヒッタイト神話のテシュプ(テシュブ)、ギリシア神話のゼウス、インド神話のインドラなどが典型です。
さらに後代になると、人間の英雄が龍を退治する『ドラゴン・スレイヤー(龍殺し)』の物語も語られるようになりました。
先述した通り、証言者は『善』と『悪』の地球外生命体が、人類の歴史に古くから干渉してきたと言及しました。
古代神話における『龍神』をレプティリアン(悪意ある地球外生命体)とすれば、『龍』と戦った神々が『善意ある地球外生命体』ということになるのでしょうか。
実は世界各地の神話において、龍・蛇などの爬虫類的神格を明確に『悪』と断定している宗教は多いわけではありません。
先述した通り、一神教(特にユダヤ教)でさえも龍・蛇は必ずしも『悪』とはいえないかもしれないのです。
ですが、これを明確に『悪』と断定した宗教がありました。
ここで『アングロサクソン・ミッションとUFO その4』でも紹介したゾロアスター教の神話が再登場します。
【注釈】
■注4 龍神信仰
『龍』という単語は、主に『龍』と『竜』という2つの漢字が使われている。
『龍』という漢字を簡略化した字が『竜』だが、『竜』の方が先にできたらしい。
省略した漢字を好まない中国では『龍』が初めに公式の字として制定され、『竜』は省略形として定められたとか。
東洋では、龍は古くから王権の象徴とされていたのに対し、西洋では悪の象徴となっていたようだが、後者でもウェールズの『赤い龍』のように必ずしも悪い意味で考えられていたわけではない。
中立的な立場を取る本記事では、『竜』の字だと『悪なるドラゴン』を連想し易い可能性があるので、表記を『龍』に統一した。
■注5 ウシュムガル
シュメール語の文法では、形容詞は基本的に名詞の後ろに付くらしい(例外もある)。
『ウシュムガル』の場合は以下の構成となる。
『ウシュム/楔形文字:𒁔/ušum/意味:"龍"または"唯一の"』 + 『ガル/楔形文字:𒃲/gal/偉大な』
単語の意味としては『偉大な龍』、または『唯一の偉大な(存在)』が転じて『全ての主』や『主権者/元首』にされたと思われる。
このようなウシュムガルではあるが、バビロニア神話においては原初の女神ティアマトが生み出した11の怪物の1柱とされた。
■注6 ナンムの姿
ナンムの姿について明確な証拠があるわけではない。
ただ『原初の女神』ということで、ウバイド期(メソポタミアの先史文化)の遺跡から発掘されたトカゲ人像と関連付けられ易い。
また、バビロニア神話の原初の女神であるティアマトは、シュメール神話の女神ナンムがルーツといわれている(共に海の女神)。
神話において、ティアマトは『大洪水を起こす龍』と記述されることがあるので、必然的にナンムも同じような姿と考えることができる。
悪の権化
Talisman of Ahrimanes
(アーリマンたちの護符)
アングロサクソン・ミッションでは、ゾロアスター教の世界観と関係がありそうな話が見られました。
一方、イルミナティカードにもゾロアスター教関連のカードがありました。
それが上記のカード『Talisman of Ahrimanes(アーリマンたちの護符)』です。
『アーリマン』とは、悪神アンラ・マンユの中世ペルシア語形となります。
『Ahrimanes』というようにカード名は複数形になっているので、意味としては『アンラ・マンユ(アーリマン)に率いられた悪神の眷属』になると思われます。
カード文を見ると、『破壊』や『暗殺』に効果を増すカードとされているようです。
このカードは、ゾロアスター教の悪神がイルミナティの守護神であることを暗示しているのでしょうか……。
●画像引用 STEVE JACKSON GAMES
災厄の主
画像は左上がシュメール神話の主神エンリル、右上がゾロアスター教の悪神アンラ・マンユといわれている像〈注7〉、下が先ほども掲載したレプティリアンの姿です。
エンリルとアンラ・マンユはいずれも旧世界(超古代文明?)を滅亡させた神的存在とされ、レプティリアンはそうした『災厄の主』と関係がありそうです。
エンリルは牛角の王冠を被っているので、龍蛇(爬虫類)系の神ではないと思われがちですが、(他の神々同様)原初の蛇神(女神)ナンムの子孫とされています(エンリルはナンムの孫)。
●画像引用
Wikipedia、唐草図鑑(右上)、カラパイア(下)
知恵の神
メソポタミア神話のエンキとゾロアスター教の主神アフラ・マズダーは共に『知恵の神〈注8〉』『人類の庇護者』とされています。
なお、ゼカリア・シッチンの著作の影響からか、エンキを(ゾロアスター教では『悪』とされた)蛇の神とする説が散見されますが、エンキの主な象徴は『山羊』や『魚』などであり、少なくとも『蛇』はありません。
エンキの姿が蛇神として描かれた印章なども発見されてはいません。
※都市伝説系の動画などで時折見られる『下半身が蛇となっているエンキ』の絵は、大元の出所が不明で真偽が確認されていません)。
エンリルは蛇の女神であるナンムの孫に当たりますが、それは彼の兄弟であるエンリルも同様であり、この理由を以て、エンキの『蛇神性』を強調する必要はないと思われます。
また、エンキは龍神ティアマトを殺害したマルドゥクの父親とされていることも無視されがちです。
※龍蛇系の神の敵であるということ。
●画像引用 Wikipedia
ゾロアスター教は、世界で初めて『善悪二元論』の思想を唱えた宗教であり、『善神』に対する『悪神』が設定されています。
その悪神が『アンラ・マンユ(アングラ・マインユ)』であり、サソリ・爬虫類・両生類などの生物は、悪神が創造した『邪悪な存在』とされているのです。
また、アンラ・マンユは『(物質的な)実体を持たないもの(スピリチュアルな存在)』とされていますが、この世に現れる時は、蛇やトカゲといった爬虫類の姿になるとか。
これだけでも、陰謀論で語られるレプティリアンを連想させますね。
アングロサクソン・ミッションの話とゾロアスター教の神話・伝承を繋ぐポイントは、大きく分けて2つあります。
その1つは、世界の根本的な権力構造のことです。
ゾロアスター教の神話・伝承では、アンラ・マンユとその眷属の襲撃によって地上が荒らさられた挙句、氷河期(厳密に言えば氷期)がもたらされたと伝えられています。
上記を言い換えるなら、一般的に知られた有史以前の『旧世界(神話時代=超古代文明?)』の人々がゾロアスター教で言うところの『悪の勢力』に敗北した――あるいはそれに近いほどの劣勢になったと考えることもできます。
ということは、旧世界が滅亡した後、世界は『悪の勢力』によって支配されてきたことになります。
もう1つのポイント――それはアングロサクソン・ミッションにおいて言及された『善意』と『悪意』という単語です。
地球外生命体を『善悪二元論』で考えているわけですが、先述した通り、この考え方を宗教的に初めて提示したのがゾロアスター教です。
ここでもう一度、アングロサクソン・ミッションで語られた地球外生命体について、(ゾロアスター教やメソポタミアなど)古代オリエントの神話・伝承と関連がありそうな部分をピックアップしてみたいと思います。
両者を比較すると、驚くほど『類似の部分』が見えてくるのです。
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■比較項目1 イルミナティの主人=地球の神
【アングロサクソン・ミッションでの発言】
人間の支配層(イルミナティのトップ)の上に君臨するという真の権力者(悪意ある地球外生命体)のことを『レプティリアン(人型爬虫類系の宇宙人)』と呼ぶ人もいる。
【ゾロアスター教とメソポタミアの神話・伝承】
ゾロアスター教の悪神アンラ・マンユは旧世界を滅ぼした神であり、この世に現れる時は爬虫類の姿になるといわれている。
一方、メソポタミア神話では、大洪水で人類が(ほぼ)滅亡した後、シュメールの地(最初の都市はキシュ)で再び文明が起こったことになっており、その先史文化(ウバイド期)では『爬虫類の神(トカゲ人)』が崇拝されていた。
上記の神話は、旧世界の滅亡後『悪の勢力=爬虫類の神=レプティリアン(?)』が世界を支配したことを暗示しているのかもしれない。
■比較項目2 人類の改造
【アングロサクソン・ミッションでの発言】
レプティリアンは完全に心の冷たい者たちであり、ずっと前から地球にいて人類を現在の状態にした張本人たちである。
【旧約聖書・エノク書とメソポタミアの神話・伝承】
大洪水以前の人類は、現代よりも寿命が遥かに長かったといわれている。
これが現人類のような寿命になった原因として、旧約聖書では、堕天使グリゴリが人間の娘と交わったことに怒り、ヤハウェ(神)が人間の寿命を短くしたからだとされている。
一方、メソポタミア神話では、ある時期を境に不妊や幼児死亡などで人口が抑制されるようになったという話が伝えられている。
これは、人口増加を憂いたエンリル(神々の指導者)が大洪水を引き起こしたことに起因する。
つまり、上記2つの神話でも『(神による)人類の改造』があったことが記されており、アングロサクソン・ミッションの話との関連を窺わせる。
■比較項目3 超常的知性体の起源
【アングロサクソン・ミッションでの発言】
地球外生命体には『善意ある者たち』も存在する。
彼らとレプティリアンは、現在の権力者たちよりもずっと前から我々の傍にいる。
【ゾロアスター教の神話・伝承】
善神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユは、我々が知る文明史以前からずっと闘争を繰り広げている。
■比較項目4 超常的知性体の闘争
【アングロサクソン・ミッションでの発言】
レプティリアンは地球の全支配を望んでいるが、(善意の地球外生命体との)チェスゲームには勝てず、彼らの時代は終わりが近づいている。
【ゾロアスター教の神話・伝承】
ゾロアスター教の世界観では、アンラ・マンユとその眷属は、最終的にアフラ・マズダーとサオシュヤント(救世主)などの『善の勢力』により敗北することになっている。
■比較項目5 善意の地球外生命体の正体
【アングロサクソン・ミッションでの発言】
善意の地球外生命体について、証言者はET(地球外生命体)と呼ぶのを好まないという。
彼らは「我々(地球人)と同じ仲間である」と信じているそうだ。
【ゾロアスター教の神話・伝承からの考察】
善意の地球外生命体の正体が、レプティリアン=悪神アンラ・マンユ(?)に敗北した旧世界の住人だとすれば、彼らと現人類は基本的に同じ種族なのかもしれない。
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…………どうでしょうか?
アングロサクソン・ミッションで語られた地球外生命体の話は、まるでゾロアスター教の神話・伝承の『焼き直し』のように見えなくはないですか。
ビル・ライアンは『善』と『悪』の勢力の戦いについて、『ヨハネの黙示録』にも見えると語りましたが、そもそも『善悪の戦い』と『最後の審判』というストーリー自体が、ゾロアスター教が始まりであり、ユダヤ教・キリスト教が『言い出しっぺ』ではないのです。
ただ、アングロサクソン・ミッションで言及された地球外生命体をゾロアスター教と結びつけてしまうと、宗教的に大きな問題が生じます。
それは旧世界の滅亡に関することです。
【注釈 7~8】
■注7 悪神アンラ・マンユといわれている像
該当の獅子頭の彫像は、当初ゾロアスター教の時間の神『ズルワーン』だと思われていた。
R・C・ゼーナーが著書『ズルワーン』の初版においてそのように記したことが始まりだが、同著者は後にこれを訂正し、『獅子頭の神』は悪神アンラ・マンユの相の1つであると述べた。
この像は、グノーシス主義における高次の霊『アイオーン』と紹介されることもあり、こちらも時間を司る神格とされる。
■注8 知恵の神
メソポタミア神話では、エンリルの長男である『月神ナンナ(アッカド名:シン』も『知恵の神』とされている。
月神ナンムのアッカド名であるシンは、楔形文字で『𒂗𒍪/en-zu/エンズ』と書き、これが『知恵の主』を意味するのだ。
シュメールの都市ウルがメソポタミアで優位を示していた時代、ウルの都市神であるシンは神々の長に等しい存在として見られていたようである。
最盛期のシンは、おそらく神々の王エンリルに代わって権力を振るう宰相のような役割として考えられていたのではないだろうか。
一方、エンキは『知恵』と『水』の神とされている。
ゾロアスター教のアフラ・マズダーはインド神話の水神ヴァルナと語源的に同一の存在とされており、『知恵』と『水』という神性においてエンキとアフラ・マズダーは共通している。
そういう意味では、アフラ・マズダーは(どちらかと言えば)エンキの系統の神に近いといえるのではないだろうか。
なお、古代ユダヤ人は月神ナンナ(シン)に敬意を表していた思われる痕跡がある。
ユダヤ人の祖であるアブラハムはシンを都市神とするウルの出身であり、モーセはシンの祀る山であるシナイ山で『十戒の石板』を受け取ったことになっている。
上記のような神話設定がされたのは、ユダヤの神ヤハウェが元々エジプトの月神『イアフ((Iah)※かなりマイナーな神』だったからという説がある。
ヤハウェのルーツとして、ウガリット神話(カナン神話)の龍神ヤム(別名ヤウ)に求める説もあるが、イアフも蛇神と考えられていたようであり、性質が近いことから(古代ユダヤ人の間では)両神は習合していたのかもしれない。
神的世界のパラダイムシフト
ヤルダバオート
キリスト教の異端思想であるグノーシス主義では、物質世界は『悪』とされ、邪悪な造物主(デミウルゴス)によって創造されたことになっています。
この造物主の名前が『ヤルダバオート』とされ、アラム語またはヘブライ語で『混沌の子』を意味する単語から派生したともいわれています。
ヤルダバオートは一神教の神ヤハウェと同一視され、グノーシス主義が考える『真の神=アイオーン』に対する『偽の神』として考えられています。
ヤルダバオート=デミウルゴスは、ライオンの顔と蛇の体を持つ神格とされ、画像のグノーシス様式の宝石に見られる獅子面・蛇身の神は、その姿を描いたものだという可能性があるようです。
獅子(ライオン)と蛇という性質は、ゾロアスター教の悪神『アンラ・マンユ』といわれている彫像の性質と共通する部分があります。
※アンラ・マンユといわれている彫像は、獅子面で体に蛇が巻き付いています(前章にて画像を掲載)。
これは、一神教の神を『悪なる存在』と見なした場合の特徴なのかもしれません。
グノーシス主義が指摘した『偽の神』の正体が、ヤルダバオート(蛇神)=ヤハウェ=レプティリアンだとすれば、我々は『救済の神』だと思っていた存在に苦しめられてきたことになります。
●画像引用 Wikipedia
Antiwar Activists(反戦活動家)
画像はイルミナティカード『Antiwar Activists(反戦活動家)』です。
戦車のキャタピラーの前に横たわる男――彼の腕には『プロヴィデンスの目』のタトゥーがあります。
活動家が煽る反戦運動もまたイルミナティの計画なのでしょうか……。
戦争において、敵対国で反戦運動を煽るのはよくある手法であり、ベトナム戦争時のアメリカでもそうでした。
日本でも、軍備……もとい防衛整備をさせないよう、特定アジアの人々を含めた反戦運動〈注13〉が行われているようです。
現実の歴史としては、武力の均衡により結果的に平和になったという事例(冷戦など)がある一方、逆に武力を持たないが好戦的な国家が刺激し、侵略戦争を起こさせたという事例も見られます(チベットなど)。
人間の本性を性善説と性悪説のどちらで解釈するかは意見が分かれるところでしょう。
ただ、古代中国(戦国時代)では、性悪説に基づく法家思想に沿って政策を行ってきた『秦』が他国を圧倒する国力を得て、『嬴政/えいせい(始皇帝)』の代で初めて大陸を統一しました。
この時代には、孟子などの性善説的な思想もありましたが、それらに基づいた政治では秦の覇権を止めることができなかったのです。
性悪説が絶対的に正しいとは言いませんが、こうした思想には人間性の真実が多々含まれていると考えた方がよいでしょう。
アングロサクソン・ミッションでは、非暴力主義を推奨する言及がされていましたが、これは本心からなのか、それとも何かの策略なのかどうか……。
●画像引用 STEVE JACKSON GAMES
孫武
孫武は日本でもお馴染みの兵法書(軍略書)――『孫子』の著者です。
孫子は中国の春秋時代の著作でありながら、現代では軍人・政治家や専門の学者のみならず、経営者やサラリーマンなどにも愛読される名著となっています。
その理由の1つとして、孫子の根底に流れる老荘的思想には、戦争や人間心理についての普遍的な法則を説いた部分があるからではないでしょうか。
孫子には、「兵は詭道なり(戦争とは騙し合いである)〈計篇〉」というよく知られた名言があります。
非情で残酷な言葉ですが、戦争に限らず『戦いに関わること全般』に共通する原則です。
『悪とされる地球外生命体=レプティリアン』はもちろん、それと戦っているとされる『善意の知的生命体』が、このような基本的な戦略の原則に沿って行動していないとはいえないでしょう。
何故なら、『仁義なき戦いの原則』は神(超常的知性体)でも人でも共通しているでしょうから。
そこまで大袈裟なことを考えなくても、孫子のような戦略思想を学んでおくことは、(オカルトを抜きにしても)国際情勢を考える上で大きな参考になるでしょう。
●画像引用 町人思案橋・クイズ集
藍染惣右介先生のありがたいお言葉
●画像引用 BLEACH(ブリーチ)
旧世界滅亡の原因は、ゾロアスター教神話では『氷河期』、メソポタミア神話と旧約聖書では『大洪水』ということになっています。
両者の違いは気になりますが、ブログ主が注目したのはそこではありません。
『アングロサクソン・ミッションとUFO その4』でも少し触れましたが、より重要なのは、ゾロアスター教では旧世界の滅亡に関して『被害者視点』に立っていることであり、『世界を滅ぼした方を悪』としていることなのです。
『悪』なるアンラ・マンユ=レプティリアンとその眷属が旧世界を滅亡させ、故に彼らがその後の世界で『トカゲ人の神』や『龍神』として崇拝されるようになった。
――こういうストーリーを想定するなら、これはこれで辻褄が合うでしょう
一方、世界で大多数を占める一神教は『加害者視点』――つまり『滅ぼされた方を悪』としているのです。
上記についてゾロアスター教の視点に立てば、「一神教の神ヤハウェの正体は悪神アンラ・マンユ(=レプティリアン?)である」と言っていることになります。
しかもこれを裏付けるように、ヤハウェのルーツはウガリット神話(カナン神話)の龍神ヤムであるという説があります(※旧約聖書学者マーク・S・スミスの説)。
ヤムの別名として『ヤウ』があり、これがヤハウェの別名と同じなのです〈注9〉。
また、反宇宙論的な世界観を持つグノーシス主義(キリスト教の異端を含む思想)では、ヤハウェは邪悪なる創造主『ヤルダバオート』とされ、ライオンの顔と蛇を体を持った姿として考えられました。
つまり、グノーシス主義でもヤハウェが龍蛇系の神であると言及されていたのです〈注:左画像参照〉。
旧世界は人間にとって『ユートピア(理想郷)』だったのか――ということには議論の余地があるでしょう。
旧約聖書に書かれている通り、それは『悪に満ちた世界』だったのかもしれません。
上流階級のみが繁栄し、それ以外の人々は彼らの欲望にために搾取されたり、魔術の生贄〈注10〉にされたりするような『ディストピア(暗黒郷)』だったのかもしれません。
ただ、(旧世界の善悪はともかく)ここにおいて我々は陰謀論における『ある噂』を再考する必要が生じます。
陰謀論では、イルミナティは『悪魔崇拝』を行っているという噂がありますが、実は彼らは『悪魔』ではなく『一神教のヤハウェに当たる神』を崇拝しており、その『神(=レプティリアン)』の命令に基づいて人口削減計画を進めている可能性が出てくるのです。
奇しくも、上記の話を裏付けてしまうような神話もあります。
メソポタミア神話の(荒ぶる神・最も強い権力を行使する神としての)ヤハウェに当たるエンリルは、人口増加による『騒音』で眠れなくしまっため、疫病・飢饉・旱魃などを引き起こして人口を減らそうと画策しました(疫病の部分は現代の新型コロナウィルスを連想させますね)。
ただ、その度に知恵の神エンキが知識を与えたので、人類は危機を脱し、結果として人口はさらに増えてしまいました。
そこでエンリルは、最終的に大洪水による人類の一掃を決定したのです。
エンキとエンリルは共に蛇の女神といわれるナンムの孫に当たります。
ゾロアスター教では蛇のような爬虫類は『悪』と見なされますが、両神を敢えてゾロアスター教の神に当て嵌めるなら、エンキが善神アフラ・マズダー、エンリルが悪神アンラ・マンユに相当するといえるでしょう。
また、これを暗示するかのように、エンキは龍蛇の神といわれるティアマトを討ち取ったマルドゥクの父親とされています。
バビロニア神話では、マルドゥクはエンリルから権力を移譲されて神々の王として即位したという筋書きになっていますが、この実態が「主君を差し置いて勝手に『王』を僭称したこと」だとすれば、キリスト教神話で言うところの堕天使の長(=魔王)――ルシファーに等しい反逆行為であるといえるでしょう。
※聖書の神ヤハウェはエンリル(あるいはその長男シン)に相当。
それ故にかどうかはわかりませんが、マルドゥクの都であるバビロンは、旧約聖書と新約聖書において共通して憎まれ、『ヨハネの黙示録』では『汚れた霊の巣窟』だと記されています。
上記の神々を地球外生命体として考えるなら、エンキとマルドゥクはレプティリアン出身でありながら、(主流派の)レプティリアンの敵対者だった可能性もあるということですね。
この話を突き詰めていくと、反逆レプティリアン(神話的には堕天使?)が、アングロサクソン・ミッションで言及された『善意の地球外生命体』の正体だと考えることもできます。
これまで敬虔に一神教の神を信じてきた人にとっては、信じ難いことでしょう。
ただ、複数の神話・文献や考古学的資料の解釈を進めていくと、我々は従来の世界観について見直しが迫られることになっていくのです。
神は愛や希望を説いてきたのではないか――確かに一神教の伝承ではそういわれています。
ただ、この神の本質が(ゾロアスター教やグノーシス主義で言われている通り)悪神であれば、表向きは上記のような『宗教的な甘言』で民衆を欺きつつ、裏では弱者を搾取し、人間の生贄を貪ること〈注11〉もやってのけるでしょう。
そして、そうした疑念を抱かせないように、妄信・狂信によって人々の理性を眩ませることもやってのけるでしょう。
『悪辣な支配の方法』は、神も人も関係なく共通しているでしょうから(あるいは人間の想像以上に極悪な方法があるかもしれません)。
もちろん逆の可能性もあります。
アングロサクソン・ミッションやその他の陰謀論で言われているような『レプティリアン悪玉説』はミスリードであり、実は『善意の地球外生命体』と思わせている存在こそ人類を欺いていると考えることもできます。
敵国のスパイが、ターゲットとした国に対し『反戦運動』や『平和運動』と称して大声をあげ、その国の武力整備を進ませないように、『善意の地球外生命体』も我々に『非暴力』的な生き方を説きつつ、人類が過去の歴史から培ってきた『武の精神』を弱めさせようとしているのかもしれません。
※ここで言う『武の精神』とは、道徳的に理想化された『武道』だけなく、『孫子』や『クラゼヴィッツ(戦争論の著書)』などの冷徹な軍事思想や、戦いに関わるオカルト(魔術)も含めた広い意味です。
こうした話は深掘りするとどこまでもハマってしまいますので、今回はここまでにしようと思います。
ただ、我々が超常的な存在を含めて陰謀論を考えた場合、従来の宗教観や救世主思想と結びつけがちなところはあると思います。
善神と悪神(悪魔)、あるいはそれに類する超常的な存在が戦っており、最終的に『善なる存在』が勝利して人類は救済される――このようなストーリーが心の中で自然と浮かび上がるように誘導されている気がするのです。
この種の宗教は昔からありますが、その実態はただの『権力闘争』であり、『善神』『悪神』と呼ばれる存在は共に人類にとって『害悪』なのかもしれません。
あるいは、実は両者は通じ合っており、『善悪の戦い』を演出しつつ人口削減を行ってきた可能性も考えられます〈注12〉。
支配層の人々はそのことを理解した上で『両者』を崇拝しているのかもしれません。
つまり――
人類にとって神といえるような『超常的な知性体』は存在するが、それらは人類を救ってくれるような者たちではない。
――と、このような『人類にとって最も都合が悪いシナリオ/救いようのない最悪の真実』が、なかなか想定されないのです。
もちろん、こんなことを表立って主張しては『救済宗教』は成立しませんし、スピリチュアルセミナーなどの『商売』も難しくなるでしょうが……。
「地球外生命体などの超常的知性体は一切存在しない!」
――と決めつけるなら話は別ですが、仮に存在すると考えたなら、我々はその善悪についてあらゆる可能性を考慮する必要があるのではないでしょうか。
「憧れは、理解から最も遠い感情だよ」
上記は漫画『BLEACH(ブリーチ)』のボスキャラの1人である『藍染惣右介 (あいぜんそうすけ)』のセリフですが、名言だと思ったの紹介しました。
『憧れ』を『妄信』と置き換えると、様々な宗教・思想に適用できる便利なセリフです。
なお、この漫画のラスボスは……まあ、それはいいでしょう。
何はともあれ、我々人類は『不都合な真実』を受け止めてこそ、単純な『神への崇拝』を越えた(進歩という意味での)『進化への道』を切り開くことができるのではないでしょうか……。
(こんなことを書くブログ主は、天国に行けそうにないですね)
(´・ω・`)
では、今回はここまでです。
次回は『アングロサクソン・ミッションとUFO その1』で扱った『UFO』と『人間の潜在能力』について再び考察したいと思います。
アングロサクソン・ミッションでは具体的に潜在能力について語られることはありませんでした。
ただ、超常的な能力が元々人間にはあり、しかも封印されているということは、神話にある『人間の改造』の話、そして古来から伝わる『人間の霊性を開発する技法(神秘主義)』と関連しているようです。
その封印を解き放った時、我々人類は新たな可能性を見い出せるのかもしれません。
【注釈 9~13】
■注9 ヤムの別名として『ヤウ』があり、これがヤハウェの別名と同じ
ヤハウェに当てられた古代ヘブライ文字(フェニキア文字)『𐤉𐤄𐤅𐤄/YHWH』の正確な読み方は、『ヤフウ(ヤフー)』が近いようである。人名で言えば『ネタニヤフ(ネタニヤウ)』などにその名残が見られる。
先述した通り、ヤハウェのルーツの候補にはエジプトの月神イアフも考えられたが、ウガリット(カナン)の神のヤム(ヤウ)とエジプトの神イアフが習合して『ヤフウ』という名前になったのかもしれない。
なお、ヤウのフェニキア文字は『𐤉𐤅/yw』となる(※フェニキア文字は右から左に読む)。
■注10 魔術の生贄
陰謀論者のユースタス・マリンズの著作『カナンの呪い』によると、大洪水以前の社会では食人が行われていたいう。
これが事実だとすれば、その目的は若さをもたらすというアドレノクロムの摂取も含まれていたかもしれない。
つまり、超古代文明の権力者たちが自分たちの若さを維持するために弱者を(文字通り意味で)『食い物』にしていたという可能性も考えられるのだ。
超古代文明が噂されている通りの現代文明を超えるテクノロジーを持っていたとすれば、アドレノクロムの存在を知っていたとしてもおかしくはないだろう。
なお、アドレノクロムとは人体で生成されるアドレナリンが酸化して生成される化合物であり、幼児の松果体から取れるという。
陰謀論でいわれている悪魔崇拝の儀式は、この採取も目的だとされている。
良質なアドレノクロムを生成するためには、事前に子供を虐待して苦しめる必要があるらしく、陰謀論に纏わる人身売買に巻き込まれた子供たちの悲惨な話がインターネット(SNSやブログなど)を通じて知られるようになった。
アドレノクロムの発見は1937年とされているが、吸血・食人を伴う生贄の儀式は古代より行われていた。
この理由は、アドレノクロムの成分を『若さをもたらすエキス』として、古代の神官たちが経験的に知っていたからではないだろうか。
■注11 人間の生贄を貪ること(ヤハウェへの生贄)
目立たないが、旧約聖書には(バアルなど異教の神だけではなく)ヤハウェに対しても人間の生贄が捧げられた記述がある。
まずは『レビ記(27章:28~29)』を見てみよう。
また、自分の持ち物のうちから、永久に主のものとして奉納したすべての奉納物は、人であれ、家畜であれ、先祖伝来の畑であれ、それを売ったり、買い戻したりすることはできない。
永久に奉納物は全て、神聖なもので主に属する。
特に、永久に神に奉納された奉納物が人である場合は、その人を買い戻すことはできず、必ず殺さねばならない。
続いて『民数記』の31章――ここでは戦争に勝利したイスラエルの民がたくさんの捕虜を従えて凱旋する記述がある。
この時、モーセは「なんで女を全員生かしたのだ。処女以外は殺せ」と怒り(民数記32:15)、その後「ヤハウェに献上された人間は32人に至る(民数記31章:40)」と書かれている。
先述のレビ記の明記通りであれば、この時の捕虜は間違いなく生贄にされたことになる。
この件について「まだユダヤ教の戒律が整備されていない時代だったから人間も生贄にされた」と弁護することはできるが、一方で、当時のユダヤ人は『ゴイ=異教徒(複数形:ゴイム/豚=家畜が語源らしい)』を家畜扱いしていたため、その人々を生贄にしていたという見方もできる。
ヤハウェの本性を悪神と考えるなら、旧約聖書においてバアルなどの神への生贄が非難されたのは、「生贄自体を悪とした」というよりも「自分以外の神に生贄を捧げたことが悪」という、まさにヤハウェの呼称の1つである『妬む神』に相応しい理由が考えられるだろう。
■注12 『善悪の戦い』を演出しつつ人口削減計画
インド神話の叙事詩『マハーバーラタ』の終盤において、多くの人々を死に至らしめた戦争は「大地の重荷を軽減するために行われたこと」――つまり神の人口削減計画だったことが明かされる。
アングロサクソン・ミッションで言及された善と悪の地球外生命体たちも、人々の心を惑わせつつ最終的には上記のような展開を狙っているのかもしれない。
■注13 特定アジアの人々を含めた反戦運動
日本における平和運動・反戦運動に『日本人ではない人々』がいるのは事実だが、第2次世界大戦の(欧米の)戦勝国(連合国)には、アジア人同士を団結させないようにする意図があり、そのための政策(アジアの国々を反目させる策略)も取られてきたようだ。
参考・引用
■参考文献
●ILLUMINATI New World Order STEVE JACKSON GAMES
●古代オリエント集(筑摩世界文學体系1) 筑摩書房
●古代メソポタミアの神々 集英社
●SUMERIAN LEXICON JOHN ALAN HALLORAN Logogram Publishing
●ウガリト語入門―楔形表音文字 古代語研究会 編、谷川政美 監修 キリスト新聞社
●マハーバーラタ(下) C・ラージャーゴーパーラーチャリ・奈良毅・田中嫺玉 訳
●The Zend Avesta, Part I The Vendîdâd (English Edition) Friedrich Max Müller 著 James Darmesteter 英訳
●神々の魔術 グラハム・ハンコック 著、大地舜 訳 角川書店
●ナグ・ハマディ文書 荒井献、小林稔、大貫隆 訳
●旧約聖書Ⅰ 月本昭男 訳 岩波書店
●旧約聖書Ⅱ 旧約聖書翻訳委員会、木幡藤子、山我哲雄 訳 岩波書店
●旧約聖書Ⅲ 旧約聖書翻訳委員会、山我哲雄、鈴木佳秀 訳 岩波書店
●新約聖書Ⅴ 新訳聖書翻訳委員会、保坂高殿、小林稔、小河陽 訳 岩波書店
●聖書外典偽典4(旧約偽典Ⅱ) 村岡崇光 訳(日本聖書学研究所編) 教文館
●天使の世界 マルコム・ゴドウィン 著/大滝啓裕 訳 青土社
●天使辞典 グスタス・デイヴィッドスン 著/吉永進 監訳 創元社
●イルミナティ 悪魔の13血流 フリッツ・スプリングマイヤー 著 KKベストセラーズ
●カナンの呪い ユースタス・マリンズ 著(天童竺丸 訳) 成甲書房
●中国の思想 第10巻 孫子・呉子 村山孚 訳 徳間書店
●史記Ⅱ(乱世の群像) 司馬遷 著 奥平卓、久米旺生 訳 徳間書店
●史記Ⅲ(独裁の虚実) 司馬遷 著 丸山松幸、守屋洋 訳 徳間書店
●ワンピース最終研究7 うねりだす時代が呼び起こす未来予報図 ワンピ伏線考察海賊団 編集 サクラ新書
●BLEACH(ブリーチ) 久保帯人 漫画 集英社
■参考サイト
●AlphaZebra(Youtube) ※アングロサクソン・ミッションの動画
●アングロサクソン・ ミッション ビル・ライアン プレゼンテーション原稿
●アングロサクソン・ミッション:証言者オーディオ・インタビュー原稿
●Wikipedia
●WIKIBOOKS
●ニコニコ大百科
●ピクシブ百科事典
●コトバンク
●CRAZY WORLD
●雑学サークル
●日本経済新聞(2011年10月31日)
●カラパイア
●ecotaf.net
●STARSEED
●UFOアガルタのシャンバラ
●無限∞空間
●幻想動物の事典Appendix
●Anti-Christianのバイブル研究